子どもたちのことを真剣に考えましょう。

<< 実は… | main | 新しい荒れ >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
「学問のすゝめ」のすすめ79
 その他、倣慢と勇敢、粗野と率直、頑迷と実直、軽薄と俊敏、すべて紙一重で悪徳とも美徳ともなるもので、もとの素質そのものが悪なのではない。だが、ただ一つ、素質そのものが悪であり、したがって発揮される場所・強弱・方向にかかわらず悪徳以外のなにものでもないものがある。怨望がすなわちそれである。
 怨望は、それが心に起こるとき、つねに陰にこもった起こり方をする。おのが身の不幸・不平を満足させるために、他人を不幸に陥れようと企てるのが怨望である。だから怨望を抱く者どもは、世間の幸福を破壊するだけで、世の中のために何の寄与もなしえない。
 あざむき、だまし、ウソをつくことを欺詐虚言と言い、これはもとより大きな悪徳の一つであろう。しかし、これは怨望を生みだす原因ではなく、怨望によって生みだされた悪徳というのが正しい。ますますもって、怨望は諸悪の根源であり、人間の悪事のなかで、これを原因としていないものはないとさえ言える。
 そねみ疑うこと・嫉妬すること・卑怯な態度なども、怨望から生みだされる。それらは、私語・密談・陰謀などのように内密な行為となることもあれば、徒党・暗殺・一挟・内乱など大きな事件として暴発することもある。少しも国の利益となることはなく、そうしたわざわいが全国に及ぶときは、人間だれもがその被害者になる。いわゆる公共の利益を私物化することなのである。
                                                      (檜谷昭彦訳)
ここで怨望と言う言葉が出てくる。
13編の見出しを飾るようなこの編では大事な言葉である。
この言葉、「学問のすゝめ」について、小林秀雄氏が書いた文章にも登場する。
氏は「福沢諭吉」という著書の中で『・・・・・・「怨望」は、自ら顧み、自ら進んで取るという事がない。自発性を
まるで失って生きて行く人間の働きは、「働きの陰なるもの」であって、そういう人間の心事は、内には私語と
なって現われ、外には徒党となって現われる他に現われようがない。怨望家の不平は、満足される機がない。
自発性を失った心の空洞を満たすものは不平しかないし、不平を満足させるには自発性が要るからだ』
と語っている。

またそれを説明した江藤淳氏の文章において、氏は『この感情は「近代」の到来とともに日本人の心に深く植
えつけられたものである。日本人はそのとき自分が自分であって西洋人ではないことに嫌悪を感じ、徹底的
な自己破壊を開始したからである。敗戦以来この傾向は一層いちじるしい。自己嫌悪は内にあっては悪平等
をはびこらせ、外に向かっては西洋をあるがままに眺めることを妨げさせている。おびただしい「近代化」の努
力はおこなわれているが、自己嫌悪に発した努力はなんの満足ももたらさない。「空洞」はますますわれわれ
の心にひろがるばかりである』と語っている。

今の人々の様子を見ると、近代と共に生まれた「怨望」が私たちの精神の中に入り込み、
例外なくうごめいてしまっていることがよく分かる。
この文章が私たちに語りかけている意味は非常に深い。
                                                     (つづく)

関連記事  「学問のすゝめ」の本棚

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お 願 い 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
このブログは「人気blogランキング」・「にほんブログ村」に参加しています。記事を読んで、
「同感!」「役に立った!」「良かった!」と感じた方、応援お願いします!!

『人気blogランキング』はここ!   『にほんブログ村』はここ!

兄弟ブログ開設しました。宜しくお願いします。 「親父@子育て情報.com」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
| とよ爺 | 教育思想 | 00:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 00:37 | - | - |









http://toyojie.jugem.jp/trackback/2599
CALENDAR
SMTWTFS
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
SPONSORED LINKS
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
このページの先頭へ