子どもたちのことを真剣に考えましょう。

「死にたい」と言われたら…
その相談から、一週間が経過した。
それからその生徒は休まず塾に通ってきていた。
私の方から何度も経過を聞こうと思ったのだが、あえて本人が話してくるまで私は待った。
なぜかそのときはそう思ったし、教え子の様子を見て、良い方向に向かっていると
確信したからだ。
私が軽率に動いて、元の精神状態に戻す必要もない。

日曜日、補習で私が塾バスで塾にやってきたときである。
彼女の父親が私の塾の方に歩いてくるのが見えた。
私がペコリと頭を下げると、それに答え、手を挙げて私の元にやってきた。
「お散歩ですか?」
「そう普段は一日中、病院の中だからね」
「娘さん、頑張ってますよ」
「本当に生意気になったよ。中学生になると親の言うことなんて聞かなくなるね」
「そうですか、彼女は素直じゃないですか」
「急に最近それが変わったんだよ。誰かの入れ知恵しか考えられないけどね」
「そうですか」
「辞めさせないからね、最後まで責任とってよ」
お父さんはすべてをわかってようだった。
おそらく親子の話は私が想像しているものだと思った。
私の心もそのときの秋空のようにその言葉で晴れ渡った。

その後、その教え子は優秀な成績で私立高校に進学した。
在学中は何度も私のところを訪ねてきたのだが、一度も医者になるとは言っていなかった。
「大学には行きたい」と話していたが、『自分の人生を見つけるため』と話していた。
その教え子と先日バッタリと顔を合わせた。
「お前、何やっているんだ」
「〜病院で医者をやってる」
「何だ。結局医者か」
「うん、結局医者」
「先生読んでるよ、ブログ。いつ私のことを書いてくれるかって、楽しみにしてるんだけど」
「一応、本人承諾がないとね。お前の場合、お父さん絡みだから」
「うちの親、先生には文句なんか言えないよ。だから書きなよ」
「あのときさ、あの話の後にお父さんに会ったんだ。そのとき、お父さんが俺に言ってた。お前が本当に生意気になったって。全く同じことを今の俺が思っている。俺の教え子でいたかったら、俺をもう少し大事に扱えよな」
「わかりました。大先生様。健康そうに見えないから、おかしくなったら、私のところに来てよ。診察料はまけないけど、一生懸命診てあげる」

塾屋とは本当に幸せな職業である。
こんな名医が私の教え子にいるのなら、まだまだくたばれわけにはいかなそうである。
                                    (終わり)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
「死にたい」と言われたら…
「わかりました。家に帰って、考えます」、母親がそう言いはなって帰ろうとしたとき、
「お任せしてみたら」とそれまで一言も口を出さなかったお父さんが言った。
「子供が行きたいという意志が一番大事だし、先生の言うことも一理あると感じましたよ。医者も全く同じです。いつも私もあなたのようなことを考えています」

その父親の一言でその教え子の通塾が決まった。
そう言う経緯があったので、私は間違えなく教え子が反発をすれば、父親はしっかりと
我が子の考えを聞くと言うことはわかっていた。
私は男である、そう言う男の思考回路はわかるつもりでいる。

「私にとって、父親は偉すぎるんです。すごく能力もあるし、皆に慕われている。そんな父親に言われたら、言葉を返すことなんかできないんですよ」
「お父さんは君が言葉を返すのを期待しているのかもしれないよ。跳ね返してみなよ、それからいろいろ考えても良いんだからさ」
私はあのお父さんがそんな言い方をすると言うことはあり得ないという確信があった。
そうだとすれば、必ず意図があるはずである。
そこを一生懸命考えてみると、自ずと今話した結論になると思った。
「でも…」
「おまえが相談の聞き役に俺を選んだんだからさ、1回はアドバイスは聞けよ」
こうなると少しは本人に強いことを言えるようになる。
「わかりました。言ってみます」

とにかくその日の話はそれで終わりにした。
あまりにも長々と話していると逆に親御さんは心配する。
「直接、本人の前に行くと言えないもんなんだよ。どうしても言えなかったら、必ずもう一度相談に来いよ。約束して!」
「わかりました」

一応、話はうまく終わったのだが、家に帰った瞬間に気持ちが潜行してしまう場合もある。
そうなった場合、私の責任は大きなものになってしまう。
万が一のことを考え、そう言わざるを得なかった。
心底、教え子を信頼していないからだという人もいるだろうが、女の子がいかに難しいか、
この仕事をしていれば、嫌と言うほどわかるはずである。
                                     (つづく)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
「死にたい」と言われたら…
「今度は君が話す番だ。何でそんな風に考えるようになったか、言ってくれるね」
「お父さんが私に『おまえは医者になる運命なんだ。他の道は考えるな』って、私に言ったの。私はお父さんの人形みたいで生きているのが嫌になったの」
「そうか、そう感じるのはわかるな。でもな、それに対して、何も言えない君も悪いんじゃないかな。お父さんは君が反発してくれるのを待っているかもしれないぞ。君のお父さんが本当に君のことを考えているのなら、おそらくすぐにそれを否定しないはずだ。だから親なんだよ。勢いで君の反発に対して、怒ったとしても、かなり君のその反抗は強いパンチになって、効いてると思うよ。先生は君のお父さんとも話したことがある。絶対に平気だと思うよ」

その生徒が私の塾に入塾するとき、実は両親そろって面接にやってきた。
前にも書いたように私立中学を受験させようと考えていた彼女の両親は専門の大手塾に
娘を入塾させようと思っていた。
私の塾はもちろんそう言う塾と比べても、公立高校受験専門の大手学習塾と比べても
いかにも貧相でつぶれそうな感じの塾だった。
彼女の母親は最初から入れるつもりはなく、娘が私の塾に通いたいとあまりにも言うので
仕方なく来たという感じだった。
面接をしていて、明らかにお母さん雰囲気で、心の中のそう言う気持ちをすぐに私は理解した。
話して5分も経たないうちにそう言う気持ちがわかったので、「入塾はない」という
前提で私はその後の説明を続けた。

「うちの塾は生徒−家庭−塾が三位一体とならないと効果がない塾です。正直、お話を聞いていて、最初から、そういうものを求めていなかったり、もっと大きな塾の方が良いのではないかという疑問をお持ちになっているように感じます。しかし、一番大事なのは塾の格好や体裁ではなく、講師です。私を見て、信頼に足ると思うのなら、お預けください。また、そう思わなければ、他の塾の面接を受けるなり、信頼できると感じられる大きな塾に通われる方が良いと思います。私のような若造が生意気なことを言いましたが、私は本気で子供たちに接していますから、許してください。中途半端は嫌なもので…」

母親は明らかに私に対して、不快な感じを抱いている感じだった。
私のその言葉に対して、質問もなかったし、意見も言うわけでもなかった。
ただただ話が終わったので、帰ろうという感じしかなかった。
                                     (つづく)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
「死にたい」と言われたら…
「実はな、俺の親父は俺が高1の時に亡くなったんだ。親父は事業家で一時は人のうらやむ成功を収めたときがある。人生というのは順風満帆に行かないもので、親父はその絶頂期に心臓病を患ってしまう。その間に会社を乗っ取られてしまったんだ。保険も切られてしまって、お金もなく、毎日、家にいる親父を何もそう言うことがわからなかった私は恨んだ。中学生の時だった。家も転々とし、いつも親父は家にいた。兄貴やお袋はその親父に何も言わなかった。でも俺は親父が嫌いだった。もちろん最初から嫌いだったわけではない。小学校の時などは毎週のようにキャッチボールを付き合ってくれた。仕事が忙しく、その時間を見つけるのが大変だったと言うことは小学生に自分にもわかっていた。だから、俺は親父を尊敬していた」
「今は先生はどう思っているの?」
「親父を心から尊敬しているし、一度でもそんな風に感じた自分を思うと申し訳ないと思う。何も知らされていなかったとしても、お袋や兄貴を見て、それを感じるべきだった」
「そうですか…」
「そしてね、そう言うことを知ったのは高1で親父が死んでからなんだ。いつも家にいて、煙たかったんだけど、突然親父がその家にいなくなったときからなんだ。お袋も兄貴も死んでから、ポツポツと俺が知らない親父のことを語り始めるようになった。そのとき、無性に親父に会いたくなったんだけど、もう時は遅しという感じだった」
「………」
「だからね、もっと冷静になるとね、感じることがあるもんなんだ。だから、すぐに自分の中で結論を見つけない方が良い。君には未来があるんだよ」
「私にも未来があるのかな?」
「あるに決まっているじゃないか」

最初は私の話を聞いても、反応がなく、泣いているだけだった。
ストレートに私の話も聞けず、違う話題に入っていた私に対して、明らかに不審な感じを
持っていた。
しかし、私には彼女の素直さに関しての確信があった。
必ず私の話に反応するときがある。
そういう反応が確認でき、フランクに質問したり、話ができるようになれば
もう彼女の話を聞いて、冷静に彼女もそれに対して受け答えることができる。
うまくいけば、それで解決してしまう場合もある。
『彼女は賢い』、こういう場合でも私は教え子を接待に疑わない。
普段の振る舞いや接し方でその子がどういう資質を持ち、どういう思考パターンを取るかを
私は常に観察している。
それができない者にプロを名乗ってもらいたくない。
ゆえにそのときに私は目の前にいる「死にたい」と言っている教え子の反応を見て、
その生徒を前向きに変えられると確信した。
                                     (つづく)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
「死にたい」と言われたら…
「先生、聞いてもらいたいことがあるんです。今日残っていっても良いですか?」
「もちろん構わないけど、家には言ってきたのか?」
「いえ、言ってません。先生、家に電話してくれませんか。家が心配しないような理由を考えてください。相談をすることを知られたくないんです」
「でもな嘘はつけないよ。今の時点で何の相談だか聞いてないから、とにかく『相談があると言うことで残して聞くことにします』と言うよ。何の相談をしたか、ご両親に聞かれたら、君が答えればいい。それで良いね」
私がそう言うと、彼女がうなずいたので、私はすぐに彼女の家に電話を入れた。

「お母さんが電話口に出られたので、話しておいた。相談というのは何なの?」
「はい、言いにくいんですけど、簡単に言うとわたし死にたいんです」
「おいおいそれは穏やかじゃないな。何で死にたいと思っているの」
「私には生きている価値や生き甲斐がないからです」
「ちょっと待てよ、これからそれを見つけていくんじゃないか。今から、そんなことを決めつけるなよ。君には無限の可能性があるんだからさ。君と同じ年代の子はみんなそうさ。だから、そんな風に考えるのはよした方が良いぞ」
「うちはそんな家じゃないんです」
「君のご両親は立派な方じゃないか」
「私もそう思うんですけど、私にとってはそうではないんです。どんどん嫌になってきました。うちの両親や両親の考え方が…」
「どうやなんだ?」
「それはいろいろあります。でも嫌になっちゃったんです」
「何か嫌になったことがあったのか?」
「はい、でも先生に言ってもわからないと思います」
「じゃあ、なんで俺に相談したんだよ。思ってることを話してみろよ」
「先生しか、相談できる人がいないから…」

もうその言葉を発しているときは涙がボロボロこぼれて、ふつうに話せる感じではなかった。
私はこういうときには生徒に対して、どんどん問いつめたりはしない。
極力、話題を変えて、相手が落ち着くのを待つ。
しかし、まったく違った話題だと相手のこちらに対しての信頼を損ねる場合もある。
どういう話題で落ち着かせるかは経験とセンスがものを言う。
こういう場合の常道は私自身が同じような思いになったときのことを話すというやり方だ。
私はこのときはその方法を選んだ。
                                   (つづく)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
「死にたい」と言われたら…
私が塾をやっていて、「死にたい」と生徒から言われたことが2度ほどある。
もちろん冗談で笑いながら、そんなことを言う生徒は十指に余るが、
本当に真剣で放置しておいたら、本当にそうするだろうなと感じた子供は二人いた。
一人は不登校・いじめ関係で今はそんなことを言ったのが嘘のように
社会に入り、しっかりと働いている。

もう一人は親のあまりに大きなプレッシャー故にそうなってしまった生徒である。
私のところに思いあまってやってきたのは、今から10年以上前、ちょうど今頃だった。
親の一言がその生徒の心を徹底的に壊してしまった。

その子の親は地元ではかなり有名なお医者さんだった。
そういう家庭の子は小学生から、私立中学受験の塾に通わせられて、
一貫校を受験して、将来医者になっていくというのが大体のパターンなのだが、
その子は小学校から、バスケットを始め、結果、大会で注目を浴びるほどの選手になった。
もともとそのバスケットを始めたのも、父親の影響で父親が大好きだったその生徒は
とにかく一生懸命バスケットに取り組んだ。

そしてお父さんと話し合い、公立の中学校に進み、地元の私の塾にやってきたのである。
スポーツをやってきただけあって、言葉遣いや礼儀もしっかりしていて、
それでいて、空々しさもない本当に模範生のような生徒だった。
もちろん学業も優秀で常に学年トップクラスだった。
ある意味、自覚もあったので私たちが教えることもなく、誰が教えても、どの塾に行っても、
それなりの成績を取ってくるような生徒だった。
私はよくその生徒に、「おまえはどこに行っても、誰に教わっても、いや塾に来なくても、必ずトップクラスになるような生徒だよ」と言ったものだ。
その都度、彼女は「いえ、そんなことはありません。塾や先生のおかげです」と
本当に寂しそうな顔をして、答えるような私たちにとっても非常に信頼できる生徒だった。
おそらく優秀だし、お父さんを心から尊敬していたので、間違いなく将来は医学の道に
進むのではないかと私は思っていた。
そんなすばらしい子がお父さんの一言で壊れていった。
私自身は思いもしないことで、急にそういう状況になってしまったことが
信じられない思いだった。
                                     (つづく)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
木々のように
「あのさ、よく樹齢何百年て言う木があるじゃない。何であんなに長生きするか考えたことがある?」
「いいえ」
「それはさ、彼らが満たされているからだよ。幸せだから何だ」
「幸せですか?」
「そう幸せ。なぜ幸せかわかる?」
「いいえ」
「それはね、彼らは厳しい自然の中でその運命を受け入れて生きてるからじゃないだろうか。運命を受け入れると言うことはとても難しいことでなかなか人間ではできない。人間はセンシィティブな生き物だから、その運命を嘆いたりする。もちろん木々にだって、受けいることのできない運命もあるだろう。台風なんかで倒れてしまうこともあるわけだから。でもね、きっとそれでも運命だからといって、それを許容できなければ、結局、樹齢何百年なんて木は育たないと思うんだ。運命を受け入れると言うことは幸せになれることなんだ。だからね、君も運命を受け入れてみてはどうだろうか。受け入れることによって、君は幸せになることができるし、それは君の婚約者にも、ご両親にも伝播するのではないだろうか?」
「"運命を受け入れる”ですか」
「そう、運命を受け入れる。君がどれだけ悩んだところで、ご両親の考えは変わらないのだろう?」
「変わらないと思います」
「だったら、それは運命なんだよ。おいそれと運命は動かせないし、変えることはできない。だから、許容してしまうんだよ。気が楽になるから…。気が楽になれば、笑いは戻る。その笑いがきっと幸せを呼ぶんだ」

この記事を読んでいる方はめちゃくちゃな話だと思うだろうし、気障なことを言うと
おそらく思うでしょう。
しかし、こういうことを平気でいえるのは教え子と私たちの関係だからこそなのです。
逆にこういう会話が自然体でできなくなったら、教える者と教わる側の人間関係は終わるものだ。
ゆえにこれが情けないことに私としても精一杯の言葉であった。

「そうですね。当たってみなければ何もわかりませんものね。とにかく彼には話してみます」
「そうかい、ありがとう。本当は教え子に難しい相談をされるとドキドキするんだ」
「先生、結婚式には来てもらえますね。今の話をしてしてください」

こんな会話で久しぶりの再会は終わった。
元気になってくれたので、心も弾む思いがした。
本当に塾やでよかったと思う。
その教え子は久しぶりにこの私にも幸福を運んでくれたようである。
                                    (終わり)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
木々のように
「君の相手はさ、正直にそれを言ったら、分かれるなんて言う可能性があるの?」
「それはわからないけど、あまりいい顔はしないと思う」
「でもさ、君たちは結婚しようと思っているほど愛し合っているんだろ。それくらいは受け入れてくれるんじゃないの?」
「そう思いたいけど、それがわからないんです」
「いちばん良いのは、正直に話して、彼から親に話してもらうことじゃないの」
「周りにもそう言われるんですけど、彼にそれができるかどうかも心配なんです」
「何、君と彼との愛情はそんなものなの?」
「それを言われると何も言えません」

彼女はそう言うと、オイオイ私の前で泣き出してしまった。
私たちがあったのはふつうのファミリーレストラン、周りの人もチラチラこちらを見たりしている。
なんだか、良いおじさんがうら若き乙女をだましたような感じである。
この状況をとにかく何とかしなければならない。

「おいおい泣いても始まらないぞ」
「お父さんとお母さんのことは君に責任はないんだろ」
「はい。昔から考えていたそうです」
「だったらさ、君がそんなに苦しむことはないよ」
「でもね先生、私の結婚を機に分かれるらしいんですよ。これで役目は終わったって」
「そう言うことならば、君のために分かれなかったというわけじゃないか。もう二人のよりは戻らないの?」
「それもわかりません。でもだめなような気がします」

それから、しなし沈黙が続いた。
「あのさ、それは運命のような気がするな。そう思って、それを受け入れることはできないの?」
「簡単に受け入れられるのだったら、先生に相談はしません」

こうなると雪隠詰めのような状況である。
何とか私も彼女が前向きになれるようなアドバイスをしなければならない。
教え子に相談されているのである。
しっかりと前向きになれるようなアドバイスをして、立ち直ってもらわなければならない。
こういうことは塾屋としてのプライドがかかったこと、私は何を話すべきか集中して考えた。
塾屋としても面目を保たなければならない。
                                    (つづく)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
木々のように
先日、私の塾ではHPをリニューアルした。
その中によせばいいのに私の見にくい写真が載っている。
頭が特にそうなのだが、昔とあまり変わらない顔つきの私にそれを見て、
連絡をくれた教え子がいる。
たまたま偶然に本部でその電話を受けた私はその教え子と会うことになった。

その教え子はこのブログでも連載している「若き塾の日々」のときに塾生だった生徒で
私の顔を見て、懐かしくなったということだった。
加えて悩みを聞いてほしいというので、そう言われては会わないわけにはいかない。
年齢はもう30歳近くになっているはずである。
女の子なのだが、まだ独身のようだった。

独身と言うこともあるので、もしかしたら彼氏の話かなと私は軽い気持ちで
彼女と会ったのだが、全くそれとは違い、重い話だった。

一通り昔話をした後、教え子が話しとやらを切り出さないので私から話を向けた。
「そう言えば、相談があるって言ってたじゃん。相談で何?」
「はい、相談していいものか、悩んでいるんです」
「そうか、俺じゃああまりアドバイスもできそうにないしね。そう言うことだったら、話さなくてもいいよ」
「いいえ、話したんです。話さなければ私もおかしくなりそうで…。でもご迷惑じゃないかと…」
「そんなことはいいよ、気が楽になるんだったら、話してみたら」
「はい、それでは聞いてください」

話の内容は深刻だった。
彼女の両親の間に亀裂が起きて、もう修復できない溝ができてしまったいるらしい。
その状況の中、彼女には結婚の話が出ていて、両親の不和を相手にも、
そのご両親にもいえないらしい。
相手のご両親も、「結婚とは、家と家が結びつくこと」などと話しているようだし、
彼女の相手も親と同じような感覚を持っているらしい。
正直にそれを話してしまったら、この縁談はなくなってしまうかもしれないというのである。

ことは結構深刻だった。
どうアドバイスすればよいのか、私も考え込んでしまった。
                                   (つづく)

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| とよ爺 | 教え子 | 00:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
教え子の活動
私には多くの教え子がいるのだが、ずっとお付き合いを切らずに続いている例は
きわめて少ない。
その極め付けが一緒に働いているGO君やマサニーなのだが、意外と少ないものである。

もっと少ないのが一度は切れたのだが復活して、ほぼ毎週連絡を取り合っている例。
それがこれからご紹介する私の教え子である。

s-P1120016.jpg実は私の教え子はNGO団体の代表で、ベトナムやタイの子供たちを支援している。
私も微力ながら、応援しているのだが、なかなか素晴らしい活動である。
その教え子には不登校の経験もあり、私は彼がどん底のときに関わった人間である。
ある意味、いちばん思い出したくない時代の人間だけにこうやって関わりを持ってもらうことに感謝しなければならないのかもしれない。
そういう過去を背負いながら、今度は恵まれない子供たちのために自分の人生をかけている。
こういうことは良いことだとわかっていても、なかなかできることではない。
本当に大した教え子である。

s-P1120019.jpgとは言え、この活動を続けながら、食べていくのは大変なことである。
やはりそういう術を別に作って、活動を続けていかなければならなず、そういうことを考えるとそんなに前途が明るいものではない。
しかし、彼は多くの子供たちに感謝されている。
頭が下がる思いである。

このブログに私はベトナムの学校への訪問の記事を投稿しているのだが、それはすべてその教え子の活動の中でのことである。
私は支援者として、彼のプロジェクトを応援しており、そういうイベントに参加したわけである。
非常に貴重な体験で、いろいろなことを考えさせられるものだった。

この9月に彼の団体にベトナム政府から感謝状が贈られた。
彼の活動がベトナム政府に認められたわけである。
彼の苦しい時代を知っているだけに、とにかく頑張ってほしいものである。

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